著者
津田 ひろみ
出版者
お茶の水女子大学
雑誌
研究紀要
巻号頁・発行日
vol.31, pp.105-122, 2001

本稿は英語科3年分割授業のひとつ,レギュラーコースにおけるここ数年の実践に関する報告である。本コースのねらいは学習指導要領にも書かれている「実践的コミュニケーション能力の伸長」である。歌や英字新聞などを教材として取り上げ,「生きた」英語をインプットすることにより,英語圏の文化や習慣に触れる機会を提供してきた。同時にコース内での生徒の発表を通じて,お互いの考えを「伝え合う」という姿勢を育ててきた。一年間の授業のまとめとして「英語新聞作り」に取り組ませたが,苦労しながらも自分の考えを英語で表現し新聞の形に完成させたとき,生徒は満足感を味わい,英語に積極的に取り組む姿勢をみせた。英語学習に対する生徒の心理的側面に焦点を当てて工夫をしてきた結果,英語によるコミュニケーションに対する生徒の動機付けという点において,レギュラーコースは大きな成果を上げたと確信している。今後は,英語母語話者との話し合いの機会を設定するなど,いくつかの課題を検討していきたい。

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