著者
長根 利紀代
出版者
名古屋柳城短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13427997)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.13-29, 2007-12-20
被引用文献数
1

近年では、子どものみならず、学生たちも合理的でスピーディーさを求める時代背景の中で、現実味の無いバーチャルの世界に浸っている。しかし、こうした時代の保育においては、むしろ「面倒」な人の手のかかる関わりこそが必要である。その中でも、子どもの発達には豊かな物語の世界を広げることは重要であり、保育のねらいに見合った教材の選択が問われる。教材には、最も身近で豊富に整えられた絵本に対して、絵本より演じる技術や準備を必要とする紙芝居は、感情豊かに表現し物語を感覚的にも広げられる。さらに、取り上げられることが減少傾向にある「素話」には、絵本や紙芝居では伝えきれない直接的な人と人との人間味を感じ合いつつ、個々の体験から自分独自の世界を作り上げる楽しみがある。学生は、授業により1つの教材を紙芝居と素話として体験し、そこから両者を比較することでその教育効果を実感した。そこで、自らの体験を通してそれぞれのもつ教材の特徴を把握した上で、保育のねらいに即した効果的な活用法と技術向上の必要性を実感し積極的な学習態度を引き出せた。本研究から把握した学生の現状を考慮し、学生の意欲や求める能力が身に付けられるようにさらなる授業の充実に努めたい。

言及状況

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こんな論文どうですか? 〈紙芝居特集〉素話・紙芝居におけるイメージと表現 : お話「そらのいろはなぜあおい」からの学生の描画を通して,2007 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006573561 近年では、子どものみならず、学生たちも合理的でスピーディーさ

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