- 著者
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牧野 安博
- 出版者
- 日本保険医学会
- 雑誌
- 日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
- 巻号頁・発行日
- vol.105, no.4, pp.274-283, 2007-12-17
- 被引用文献数
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2
健全なる保険制度を維持するために保険契約者等に課されているのが告知義務である。一般に告知は告知書を介して実行される。告知制度の実効性を担保するために保険約款に規定されている主たる約款条項が,告知義務条項と責任開始前発病条項である。人口減少が始まり少子高齢化社会へ突入した日本の生命保険市場において,保険商品は死亡保障の主契約から医療保障の主契約へと変化し,2001年以降次々と新たな医療保険が発売されるようになった。市場の潮流の変化により,2006年9月から発売されたオリックス生命保険の七大生活習慣病入院保険(愛称:CURE)も順調な販売実績をあげている。告知義務制度における解除件の留保の問題と関係して,医療保険の支払査定で問題となっている事例として白内障,乳癌,アレルギー性鼻炎の3事例を考えてみた。