著者
由本 光次
出版者
日本保険医学会
雑誌
日本保険医学会誌 (ISSN:0301262X)
巻号頁・発行日
vol.105, no.4, pp.284-294, 2007-12-17
被引用文献数
3

日本の生命保険における告知制度について検討する参考資料として,英米仏蘭4ヵ国における告知書をめぐる周辺事情と,英独における告知義務違反の取扱を紹介する。正直な契約者を不正直な者から保護する責任を前面に出し合理的な体制を実現している英国,英国ほどではないが合理的現実的に危険選択を実行している米国,禁止・制約・自主規制という各種の制限の中選択を維持しているフランス,民間保険会社としての危険選択の維持さえ危ぶまれるオランダといった特徴がある。業界団体であるABI(英国保険協会)と消費者保護の立場に立つオンブズマン(Financial Ombudsman Service)の活動が活発な,英国の告知義務違反に対する対応は,その内容,情報発信の点から参考になるものと考える。また医的情報入手が比較的容易な英米で,簡素化と選択精度維持の両立を意図したテレアンダーライティングが普及しつつある事実も興味深い。

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