著者
金 泰憲 李 允碩
出版者
龍谷大学国際文化学会
雑誌
国際文化研究 (ISSN:13431404)
巻号頁・発行日
no.11, pp.119-128, 2007

韓国人の家族に対する価値観は伝統的に儒教思想に基づいている。儒教思想は、人間は子孫を通して永生を得ることができ、子孫は親を通して命を得ることができると考える。従って、子孫は家系を継承し、父母の老後面倒を見てあげなければならず、祖先を祭る責任を果たさなければならない。このような思想からは拡大家族制が理想とされ、長男を中心に家系と家産が相続される直系家族形態が普遍化してきた。韓国の伝統家族観は、日本の植民地と韓国戦争を経験しながらも相変わらず韓国の中枢的価値観としての位置を占めてきた。しかし、最近社会変化とともに韓国の伝統的な家族観は大きく、早く変わっている。多くの韓国人は老後子どもに頼るより独立して生きていくことを望んでいる。夫婦が葛藤を解決できなければ離婚も可能であり、自分のためなら子どもを生まないか、一人で満足するという考え方が広がっている。一人の子どもが男ではなく娘であってもかまわないし、必ず結婚する必要もないと考えるようになってきている。このような価値観の変化は、1960年代から進められた経済発展とともに起こっているが、最近そのスピードが大変早くなりつつある。

言及状況

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韓国の方とは付き合ったことがありませんが、回答が少なそうな質問なので書いてみます。 記憶が定かではありませんが、1年ほど前のTV番組の報道です。 内容は韓国人との国際結婚を問題視したものでした。彼らの家族観・家族制度の考え方は極めて特徴的なので、たくさんの女性が苦しんでいるという内容でした。泣いている人もいましたし、保護を求めて大使館へ逃げ込んだ人も報道されました。そして或る国では、「 ...

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こんな論文どうですか? 儒教の国・韓国の異変 : 家族観の変化と少子化(金泰憲ほか),2007 http://id.CiNii.jp/bto1L
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