著者
柴田 勝征
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.436, pp.55-59, 2008-01-17

1980年代頃から、日本の青少年たちの間に、さまざまな異常な現象が報告されるようになった。先行研究事例を振り返ってみると、「分数ができない大学生」という形で学力低下問題が問題とされ、次に「オレ様化する子供たち」と言われる、目の前の事実を認めない中・高生の大量出現、ニート・引きこもり・パラサイト・「自分探し」などの深刻化、そして最近では「希望格差社会」「下流志向」など、「格差社会」との関連が強く意識されるようになってきた。発表者(柴田)は、福岡大学理学部での10年間の数学教育体験から、これらの現象に通底している根本原因が、「因果律が認知機能から欠損している」ことだという結論を得た。先行研究で報告された事例の本当の原因を再解釈し、社会的な理解と解決策を提案する。

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