著者
森脇 義弘 杉山 貢
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.287-290, 2008-03-20
参考文献数
17
被引用文献数
1

鍼治療後の両側気胸症例を経験した。58歳の女性,体調不良に対し頸部から腰部にかけて約20箇所の鍼治療直後に胸部違和感,呼吸困難感自覚し,救急搬送された。意識清明,血圧200/110mmHg,脈拍数151回/分,呼吸数36回/分,苦悶様顔貌,発汗著明であったが,チアノーゼや気道狭窄音,呼吸音の左右差はなく,心臓超音波,心電図で異常なく,血液検査でも白血球上昇以外異常はなく,動脈血ガス分析(酸素101/分)はpH7.215,Pao_2118.7mmHg,Pco263.9mmHgであった。前医鍼灸院から情報を得て,胸部単純X線検査で両側気胸と診断,両側胸腔ドレナージを施行した。血液ガス分析はpH7.326,Pao_2181.6mmHg,Pco_242.8mmHgと改善,症状も消失し,第13病日退院となった。考察・結論:気胸など鍼治療の合併症が生じると鍼治療担当者とは別の医師が治療を行うことになるが,鍼治療合併症に対する対応体制は未発達である。今後は,鍼治療時のインフォームドコンセントの充実と合併症時の鍼灸治療者と救急医療機関との連携あるシステム構築が必要と思われた。

言及状況

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@kaz2go @noranyan2000 ありがとうございます。 私自身針治療を受けたこともないのでどんな針かはわかりません。10年も前の話ですが、その患者さんは痩せていたのは覚えています。 針が胸膜を越えれば気胸になると思います。 症例報告もありますね。 https://t.co/dgwesYBo6y
あったワロタ https://t.co/SBgF99OKln

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