- 著者
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山本 毅雄
- 出版者
- 社団法人情報科学技術協会
- 雑誌
- 情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.5, pp.254-259, 2008-05-01
- 被引用文献数
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1
1975年6月,日本最初の実用規模オンライン情報検索サービスTOOL-IRが,東大大型計算機センターで開始された。ソフトウェアは著者らのチームによる自作で,初期には海外から輸入したデータベース(最初はChemical Abstracts ServiceのCA Condensatesのみ,同年度内にCambridge UniversityのCrystallographic Data, INSPECのComputer and Control Abstracts)が加わった。利用者は全国の大学・短大・高専・研究所などの研究者(教師および大学院生)で,毎年の実利用者は致百人(最盛期は千教百人), 20年以上利用された。TOOL-IRサービスは,ヒューマン・インターフェースを重視した対話型(CUI)ソフトウェアをもち,語尾一致検索,質問ライブラリ,利用者によるデータベース作成支援ソフトウェア(PDB),サービス提供者と利用者間の電子メール交信のどの特色があった。また,国産計算機上で音響カプラー端末(いわゆる電話端末)を利用できるようにした最初のシステムでもあった。このプロジェクトの発想,研究・開発,データベースの輸入,サービスの略史について述べる。