著者
竹ヶ原 郁子
出版者
一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
雑誌
プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.35-40, 2008

システム構築プロジェクトでは,QCDの観点での問題が発生する場合がある.原因として,提案活動時における見積もり項目の漏れや曖昧な前提条件,提案活動を行う担当者からの見積もり根拠の曖昧な引継ぎ等が考えられる.リスクマネジメントの一環として,この原因に働きかけリスク顕在化を未然に防止するため見積もりシートを作成し,提案活動での活用を推進することにより確実な統合変更管理の実施を試みた.そして,提案活動時の検討漏れの防止や前提条件の明確化の重要性と,仕様確定までがプロジェクトサイズを決定する重要なフェーズであり,システム構築プロジェクトを成功裏に導くQCD遵守の鍵であることを再認識した.今回の一連の試みから,実際のリスク対応実施時の問題点と対処,リスク顕在化時の対処,効果について報告する.

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