- 著者
-
遠藤 雄一
- 出版者
- 一般社団法人 プロジェクトマネジメント学会
- 雑誌
- プロジェクトマネジメント学会誌 (ISSN:1345031X)
- 巻号頁・発行日
- vol.7, no.3, pp.58-63, 2005
ユーザー要件を完全に固めていない段階で, プロジェクトを早く立ち上げ, 開発しながら要件を固めて行き, 短納期で成果をだす開発手法XP(eXtreme Programming)が, 脚光を浴びている.また, この開発手法は, 開発者本位でもあり, 開発者からも非常に良い評価を得ている.ところが, プロジェクトマネジメントの観点からみると, その方法論に疑念を抱かせる面がある.その為, プロジェクト・マネジャーが, XPを採用すると表明した例は非常に少ない.本稿では, XPが, 何故これほどまでに評価されているのか, しかし, 何故, プロジェクト・マネジャーがその採用に躊躇するのかを, プロジェクトマネジメントの観点から明らかにする.その上で, 如何にしたら, プロジェクト・マネジャーが, XPを積極的に採用できるようになるかを論じる.これにより, 今求められている短納期, 高品質の開発が, XPにより可能であることを考察してみる.