著者
西丸 良一
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.24-33, 2008-03

本研究は、国・私立中学校への進学が大学進学にどの程度、またはどのように影響しているのかを分析する。分析の結果、国・私立中学校のなかでも「中高一貫」を経ることは、大学入試難易度を上昇させる効果を示しており、「非中高一貫」は大学入試難易度を上昇させる効果を示していなかった。つまり、国・私立中学校への進学が大学入試難易度を上昇させるのではなく、中高一貫制である中学校への進学が大学入試難易度を上昇させるのである。こうした分析結果を踏まえると、近年、公立校でも実施が進みつつある中高一貫制は、私立校と公立校との学校間格差と同様に、公立校における中学校の学校間格差をもたらすことになるだろう。

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