- 著者
-
田島 敬士
吉岡 元貴
小澤 順
- 出版者
- 日本知能情報ファジィ学会
- 雑誌
- 知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
- 巻号頁・発行日
- vol.20, no.3, pp.379-387, 2008-06-15
- 被引用文献数
-
1
1
カーナビゲーションシステムにおける到着地推定は推定対象走行の走行日時や走行経路といった走行属性が一致する車両走行履歴を用いて行われる.用いる走行属性によって到着地推定への有効性は異なる.そこで本稿では,到着地推定に用いる走行属性の違いによる到着地推定への有効性の違いについて評価した.走行属性の到着地推定への有効性は,走行属性と到着他の間の相互情報量を用いて評価した.履暦数が減少すると相互情報量は増加するため,履歴数の少ない走行属性を選ぶと相互情報量が余分に増加してしまう.この履歴数による情報量の変動を除いて,正規化した相互情報量によって評価した.ユーザ20人から車両走行履歴を平均3ヶ月の期間収集し,評価した結果,ユーザの出発直後は,走行時刻属性の到着地推定に対する有効性が高く,走行途中は,出発地と初めに通過した2つの主要交差点という走行経路属性の到着地推定に対する有効性が高いことが判明した.よって,出発直後は走行時刻属性が推定対象走行と一致する走行履歴,走行途中は走行経路属性が推定対象走行と一致する走行履歴を用いて到着地を推定する手法が有効である.