著者
服巻 繁 野口 幸弘
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.131-138, 2005-07-31
被引用文献数
2

本研究では、施設内にある作業所で作業中に逸脱行動を繰り返す1名の自閉症青年に対して衝動的行動を改善するために、先行刺激操作による介入と結果操作による介入について検討を行った。先行刺激操作による介入として、作業や余暇など活動ごとに場所を設定し、注意散漫を予防する物理的環境整理、作業の後に好きな活動ができることを示したスケジュール表を用意した。作業中に逸脱した場合は、スケジュール表や文字カードを見せて「仕事に戻ってください」と活動に戻るよう教示する視覚的な手がかりによるルールの呈示を行った。しかし、それだけでは逸脱行動の減少にあまり効果がなかった。続いて、視覚的な手がかりによるルールにトークンシステムとレスポンスコストによる介入を加えた。逸脱なしに仕事を遂行した場合は100円を与え、逸脱した場合には半額の50円に減らした。貯金したお金で、本人の好きな洗剤や雑誌を購入することができ、作業中の逸脱行動が減少し作業の集中度が高まった。結果は、先行刺激操作と結果操作に関して、応用行動分析的考察を行った。

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