- 著者
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牧野 淳一郎
- 出版者
- 一般社団法人日本物理学会
- 雑誌
- 日本物理學會誌 (ISSN:00290181)
- 巻号頁・発行日
- vol.57, no.5, pp.330-336, 2002-05-05
最近になってM82銀河の中心近くに太陽質量の1,000倍程度の「中間質量」ブラックホールが見つかった.これまでは太陽質量の100から100万倍の間のブラックホールは全く見つかっていなかった.M82での発見はブラックホール,特に多くの銀河の中心にあると思われる太陽質量の100万倍を超える大質量ブラックホールの形成過程に対する我々の理解を大きく変えるものである.この解説では,大質量ブラックホールの形成過程に対する,上の発見をふまえた新しいシナリオを紹介する.我々はこれがブラックホール形成シナリオの「決定版」になる可能性は十分にあると考えている.