著者
氏家 良樹 松岡 由幸
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.9-16, 2008-05-31

曲線デザインにおいては,形状全体の特徴を巨視的に認知するヒトの特性から,形状要素の組合せによって発現するマクロ形状情報の適切な把握と操作が重要である.しかし,CADを用いた現行の曲線デザインにおいては,微視的な形状特徴を定量的に表現する情報の提示が主流であり,マクロ形状情報の把握と操作はデザイナの経験や直観に依存している.このような背景より,筆者らは,マクロ形状情報「複雑さ」を対象として,マクロ形状情報の定量化法構築とマクロ形状情報を操作可能な曲線形状生成法の構築に関する研究を進めてきた.本報では,解像度を考慮したマクロ形状情報「複雑さ」の定量化法として提案した曲率積分および平滑化手法の定義,事例適用による有用性の検証,および同定量化法を導入した曲線形状生成法のデザインへの応用について述べる。そして,提案した手法による解像度を考慮した「複雑さ」の定量化の可能性と,曲線形状生成法による曲線デザイン支援の可能性について示す.

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