- 著者
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奥山 健二
- 出版者
- 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
- 巻号頁・発行日
- vol.13, no.1, pp.14-17, 2008
曹洞宗巨法山善長寺は関東平野の北、群馬県館林市にあり、創建480年の名刹である。館林は徳川4代将軍綱吉の幼少期を過ごした歴史ある城下町であり、観光資源として名所つつじが丘公園や城沼がある。寺の境内は城沼を挟んでつつじが丘公園の北側に3万5千坪あり、様々な樹木に囲まれた自然豊かな景観を有している。景観豊かな環境の境内に寺の総合計画をし、その一環としての鐘楼堂計画である。この鐘楼堂は対岸のつつじが丘公園から、本堂や庫裏や樹木を背景に、寺の象徴として計画している。鐘楼は近隣に時を告げ、季節折々の行事に果たす役割も重要である。また、境内には芝や水仙や枝垂れ桜や紅葉の庭があり、鐘楼堂はそれらの草木樹木の視覚的中心として配置されている。春の水仙や桜、秋の菊や紅葉と鐘楼堂が視覚的なまた音響的な自然環境の中での調和の原点となっている。