著者
小達 恒夫 野元掘 隆 宮岡 宏
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.251-290, 2008-07-30

第48次南極地域観測隊夏期行動の概要を報告する.第48次隊は総勢62名で構成され,このうち越冬隊は35名,夏隊は27名であった.他に同行者として,南極観測船「しらせ」で行動した4名,ドームふじ基地において行動した2名,日独共同航空機観測を行った11名,及び航空機により昭和基地へ入り湖沼生態調査を行った3名が参加した.「しらせ」は2006年11月14日に晴海を出港し,また,観測隊本隊は11月28日に航空機で出発し,西オーストラリアのフリーマントルで「しらせ」に乗船した.「しらせ」は12月3日に同地を出港し,海洋観測を実施しつつ12月16日に氷縁に到着した.12月19日に昭和基地第1便が飛び,2007年2月16日の最終便までの間に,第48次越冬隊成立に必要な物資約1000 tの輸送と越冬隊員の交代を滞りなく完遂した.沿岸露岩の湖沼域の生態学的調査,氷河地形調査,地震観測,氷・水・土壌・生物等の試料採集,内陸での気象,電波,GPS等の無人観測などの夏期観測調査はほぼ予定通り実施できた.設営系では,昭和基地夏作業として予定された基地建物,施設の新設や改修工事はすべて実施した.特に,昭和基地クリーンアップ4カ年計画の3年目として,主に第47次隊が用意した200 tを上回る廃棄物を持ち帰り,また島内一斉清掃によって飛散していた廃棄物の回収に努めた.往復の航路上では,海洋観測を実施し,シドニーに3月21日に到着,観測隊は航空機で3月28日に帰国した.一方,ドームふじ基地支隊は11月5日に成田を出発し,ケープタウンからDROMLANチャーター機により,ノボラザレフスカヤを経由して12月3日に「ARP2」地点で第47次隊と合流した.その後,雪上車でドームふじ基地に12月12日に到着した.ここで,第47次越冬隊と協力して,1月26日までに3025.22 mの掘削に成功したのち,航空機により2月20日に帰国した.また,日独共同航空機観測に参加した夏隊1名は,12月3日に成田空港から出国した.ケープタウンからDROMLANチャーター機により,ノボラザレフスカヤを経由して12月8日にノイマイヤ基地へ到着した.同基地付近での航空機観測を実施した後,1月6日にはS17航空拠点へ移動し,昭和基地付近での航空機観測を実施した.1月27日にS17を離れ,2月8日帰国した.

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こんな論文どうですか? 第48次南極地域観測隊夏期行動報告2006-2007(小達 恒夫ほか),2008 http://id.CiNii.jp/comjL
こんな論文どうですか? 第48次南極地域観測隊夏期行動報告2006-2007,2008 http://ci.nii.ac.jp/naid/110006829335 第48次南極

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