著者
三隅 良平 圓山 憲一
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.55, no.7, pp.567-580, 2008-07-31

豪雨が発生するとき, 10^<-4>s^<-1>オーダーのメソスケールの収束場がしばしば検出される.下層空気の収束によって積乱雲の降水が強化される過程を理解するため,ビン法雲物理モデルを搭載した2次元軸対称モデルを用いて数値実験を行った.梅雨期に典型的な,下層が湿った対流不安定の環境では,積乱雲とともに,下層空気の収束によって下層雲がつくられる.この下層雲は,積乱雲の降水を強める2つの重要な働きをする. 1つは潜熱の解放によって下層に循環をつくり,メソスケール収束場から期待される以上の水蒸気を積乱雲に取り込むこと,もう1つは積乱雲で生成される雨滴の併合成長を下層で活発にすることである.夏の雷雲発生時に見られるような下層が乾いた環境では,収束場があってもこのような下層雲が形成されず,また流入した水蒸気の多くが大気の加湿に使われるため,積乱雲の降水は梅雨期ほどには強化されない.

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こんな論文どうですか? 下層空気の収束による積乱雲の降水強化 : 形成される下層雲の役割に注目した数値実験(三隅良平ほか),2008 http://id.CiNii.jp/cqTKL

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