- 著者
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炭谷 将史
- 出版者
- 聖泉大学
- 雑誌
- 聖泉論叢 (ISSN:13434365)
- 巻号頁・発行日
- no.15, pp.157-172, 2007
- 被引用文献数
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3
本研究は,人工的に配合された香りであるサーキュエッセンスと一般的にアロマテラピーで用いられているレモン精油の効果に関する実験研究である。男子大学生8名を被験者として吸香前,吸香直後,吸香10分後の脳波を測定した。測定された脳波から各帯域の含有率を算出し,前安静時と吸香直後,前安静と吸香10分後の平均値の差の検定を行った。その結果,サーキュエッセンス条件でβ波の減少およびα2波の優勢化が認められ,β波減少効果は10分後にも維持されていた。レモン条件では,吸香直後の速波化傾向が明らかになったが,10分後には前安静よりも徐波化しており,効果は持続していないと考えられた。このことから,ストレスマネジメントを目的とした利用に際して,サーキュエッセンスがより適している可能性が示唆された。