著者
炭谷 将史
出版者
聖泉大学紀要委員会
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.22, pp.1-11, 2014

本研究は,子どもの体力低下傾向は自宅での運動遊びの変質が一因であるという前提に立って, 自宅での運動遊びを促進するためのプロセスモデルを仮説的に生成することをねらいとして行われた.研究1では,親子ふれあい運動遊びのふりかえりから,保護者が新しい体験・遊びの機会を得ること,それに対して,保護者自身と子どもがポジティブな評価をすることで,自宅での遊び促進が示唆されることが明らかになった.また研究2では,研究1と同様のプロセスモデルが生成されたものの,研究1に比べて自宅での遊び促進企図が弱い点が読み取れた.これらのことから, 第1段階「日頃は得られない機会」,第2段階「ポジティブな主観的評価」を経て,第3段階「自 宅における運動遊びの変容」につながるという仮説的遊び変容プロセスモデルが生成された.
著者
炭谷 将史
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
no.15, pp.157-172, 2007
被引用文献数
3

本研究は,人工的に配合された香りであるサーキュエッセンスと一般的にアロマテラピーで用いられているレモン精油の効果に関する実験研究である。男子大学生8名を被験者として吸香前,吸香直後,吸香10分後の脳波を測定した。測定された脳波から各帯域の含有率を算出し,前安静時と吸香直後,前安静と吸香10分後の平均値の差の検定を行った。その結果,サーキュエッセンス条件でβ波の減少およびα2波の優勢化が認められ,β波減少効果は10分後にも維持されていた。レモン条件では,吸香直後の速波化傾向が明らかになったが,10分後には前安静よりも徐波化しており,効果は持続していないと考えられた。このことから,ストレスマネジメントを目的とした利用に際して,サーキュエッセンスがより適している可能性が示唆された。
著者
富川 拓 炭谷 将史 多胡 陽介
出版者
聖泉大学
雑誌
聖泉論叢 (ISSN:13434365)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.255-270, 2007

本稿では地域の高齢グラウンドゴルフプレーヤーに対しライフストーリー・インタビューを実施し,「運動・スポーツ」「健康」「地域」と関連する語りからその生活世界の一部を明らかにした。また地域での運動会やゴルフ・グラウンドゴルフの活動を通した社会的ネットワークの構築や,競技に打ち込む高齢者の実態が確認された。