- 著者
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千代原 亮一
- 出版者
- 大阪成蹊大学
- 雑誌
- 研究紀要 (ISSN:13489208)
- 巻号頁・発行日
- vol.5, no.1, pp.109-127, 2007
合衆国では、1994年7月に発生した女児強姦殺人事件を受けて、同年10月に性犯罪者情報公開法(いわゆるミーガン法)が州法として制定され、1996年には同法は連邦法となっている。我が国においては、性犯罪者対策に関して、これといった特別な施策は行われてこなかったが、2004年11月(奈良市)、2005年11月(広島市)に発生した女児誘拐殺害事件を受けて、性犯罪者対策を考えることが急務となっている。2005年6月から、警察庁と法務省が諸外国の「性犯罪者情報登録法」を参考にして、「子ども対象・暴力的性犯罪」を犯して刑務所に収容されている者についての出所情報を共有することによって、危険な性犯罪者に対応する再犯防止対策を打ち出しているが、我が国においても、性犯罪者情報の登録制度から公開制度に移行するかどうかということを検討することは重要な課題である。