著者
三品 佳子
出版者
花園大学
雑誌
花園大学社会福祉学部研究紀要 (ISSN:09192042)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.11-33, 2008-03
被引用文献数
1

本研究は、イングランドの脱施設化の歴史と背景にある思想を辿るなかで日本にACTを普及するために必要なことを明らかにすることを目的にした。イングランドの精神科病床削減は、1954年に始まり、現在も引き続き進行中であり、急激ではないが、着実に減り続けている。一定の地域を定め、サービスがどの家庭にも届けられるよう配慮されている。特に北バーミンガムでの取り組みは、ケアマネジメントを機能分化させた上で、バーミンガム市の社会福祉局やボランタリーセクターと連携を図りつつ、国民保健サービス(National Healty Service:NHS)のいくつかの機能的チームが地域生活支援を展開している。包括型地域生活支援プログラム(Assertive Community Treatment:ACT)は、重い精神障害のある人への最も効果的な地域生活支援の方法である。英国の精神保健の歴史とバーミンガムの実践から、ACTを日本に普及するためには、1.援助者の人間観や援助観、2.ACTのための予算の確保、3.援助者の使命感、4.援助者の技能の向上、5.援助者の待遇改善の5点が必要であることがあきらかになった。

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