著者
田山 淳
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.48, no.12, pp.1033-1041, 2008-12-01

近年,日本の中学校における長期欠席児童数は,10万人を超える事態になっている.不登校の改善や予防的措置を行うためには,彼らのパーソナリティをより詳しく知る必要がある.本研究では,登校行動とパーソナリティの関連を探るため,中学生37名(男子20名,女子17名)に対して,標準化された2つの質問紙とともに,簡便な投影法であるバウムテストを実施した.質問紙の結果から,登校行動不良児は,学級での居場所がなく,進路意識が低いことがわかった.バウムテストの結果では,登校行動不良児が描いたバウムは,筆圧が弱く,樹冠が角張っていることが明らかになった.このような不登校傾向児のバウムテストの特徴は,抑うつ感,不適応感,保守傾向,神経過敏などを示す可能性が示唆されている.結論として,中学生における不登校傾向とバウムテストのいくつかの特徴との関連が明らかになった.

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