- 著者
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大澤 功
- 出版者
- 愛知学院大学
- 雑誌
- 愛知学院大学論叢. 心身科学部紀要 (ISSN:18805655)
- 巻号頁・発行日
- vol.3, pp.39-46, 2008-03
目的:身体活動と悪性新生物のリスクとの関係を,発表された臨床研究を用いて評価する.方法:2000年1月から2006年12月までにMEDLINEに登録されている身体活動と悪性新生物との関連を検討した前向きコホート研究を検索収集して評価を実施した.結果:悪性新生物による死亡を検討した11論文,悪性新生物罹患を検討した56論文について評価した.死亡を検討した11論文中8論文において,身体活動量の多い生活習慣は悪性新生物による死亡の減少と統計学的に有意な関連があることを示していた.部位別では,大腸がんと乳がんでは多くの論文が身体活動によって罹患のリスクが低下すると報告していた.前立腺がん,卵巣がん,膵臓がんでは結論は一致していなかった.結論:身体活動量の多い生活習慣によって,悪性新生物による死亡の抑制と大腸がん予防および乳がん予防が期待できる.