著者
開發 孝次郎
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.93-107, 2005

天皇機関説排撃運動とは、表面上は天皇主権を認めさせようとする運動でした。しかしその本質は、それまでの歴史で繰り返されてきたように天皇を利用すること、利用しやすくすることが真の目的でした。外では米国における日本人を標的にした人種差別の激化、中国大陸における排日・侮日運動、共産国ソビエトの出現による共産主義の脅威、内では経済不況による大量失業など、内外で苦境に立たされている日本の現状打破に、大日本帝国憲法の不備の隙をついて、天皇の権威を確立し、それを利用して国家経営を行うことを目論んで軍部、右翼が引き起こした事件でした。

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