著者
藤原 成一
出版者
日本大学
雑誌
日本大学芸術学部紀要 (ISSN:03855910)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.A77-A92, 2005

私たちの生存の場は「締(しめ)」「縁(えん)」「間(ま)」「奥」「離」という五つの基本原理によって形成されてきた。これら五つのキーワードは空間構成の原理であるだけでなく、文芸や芸術・芸能にあっても重要な思想であり、かつ作法・方法でありつづけてきた。日本人の発想、表現方法の根底にあるのはこの五つの原理である、という仮説の提起である。本稿はそのうち「間」をとりあげる。空間・時間・世間・人間というように、「間」は私たちの生きる場を根拠づけるものであるだけでなく、日本文化では、とくに芸術・芸能の面で、また人と人との間など、生き方においても、決定的な意味をもちつづけてきた。芸術から建築まで、人や世間、神仏とのつき合いから死生観まで、一貫する「間」の思想と演出方法を見つめ直し、日本文化の本質を再確認することによって、「間」の新しい創出を挑発する。

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