- 著者
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斎藤 富由起
Fuyuki Saito
千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
- 出版者
- 千里金蘭大学
- 雑誌
- 千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
- 巻号頁・発行日
- pp.65-72, 2007
「パーソナリティ障害ほどの重篤さはないが、BPDと類似した認知・行動パターン」は、境界性パーソナリティ特性(Borderline Personality Trait)と呼ぶことが出来る。BPT研究では信頼性と妥当性を備えた質問紙が作成されていないため、量的研究が遅れていた(加来・斎藤・守谷・末武、2005)。そこで本研究では、境界性パーソナリティ特性尺度の標準化を試みた結果、信頼性と基準関連妥当性の高い5因子38項目の尺度が作成された(α=90)。本尺度の因子は弁証法的行動療法における主要4スキルとの適合性が高いため、効果的な介入法と予防法の観点から、主要4スキルを尺度化し両要因の関連性を検討すること、また見捨てられ不安尺度や二分法的思考尺度との関連を求め、本尺度と境界性パーソナリティ障害との関連を検討することが今後の課題として指摘された。