著者
大田 健紘 江原 暉将
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SP, 音声 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.338, pp.261-266, 2008-12-02

本研究では,条件付き確率場を用いて音声認識結果の重要語に対するタグ付および,発話の分類を行い,その結果から,音声認識誤りなどに起因するユーザ発話の曖昧さを解消するための対話戦略について検討を行っている.音声対話システムにおいて,音声認識誤りによりシステムが発話を受理できない場合,毎回確認対話を生成していては利用者にとって非常にわずらわしい.そこで,想定発話を用意しておき,それらを同じような内容を表す発話群に分類し,音声認識結果の各発話群への分類結果をもとに,発話の曖昧な箇所の同定を行っている.その結果から,発話の一部分のみの再認識により音声認識誤りの修正を行う,もしくは確認対話の生成を行い利用者に音声認識誤りの修正行わせるかを決定している.システムが得ることのできる情報をもとに,利用者の発話の推定を行い,自動的に修正をすることによって,利用者側の負担を軽減することが可能になっている.評価の結果,音声認識誤りに対して頑健に発話内容の分類を行うことが可能であり,その結果から音声認識誤り箇所およびタグ付けの誤り箇所を同定し修正することも可能であることを確認している.

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