著者
三浦 佳世 上村 俊介
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.356, pp.59-64, 2008-12-11
被引用文献数
2

対象の運動や速度感を伝える絵画的手法にモーション・ラインがある。とりわけ,マンガで多用されるこの技法は,オノマトペ(擬音語・擬態語)と併用されて,より効果的に用いられることが多い。本研究では,様々なモーション・ライン(絵画情報)と,モーション・ラインから喚起されるオノマトペに対し,マグニチュード・エスティメーション法を用いて,それぞれの速度感を測定し,「表現」と「印象」との関係を分析するとともに,絵画情報と言語情報という異なる処理経路に基づく感性表現の関係性について考察した。その結果,直線のモーション・ラインは擬音語と対応し,速度感を正確に伝えるのに有効であるのに対し,正弦波状のモーション・ラインは擬態語と対応し,運動対象の軌跡や様態を伝えるのに有効であることが示された。また,直線のモーション・ラインでは,本数が増えるにしたがい速度感の増大することも示された。モーション・ラインが表現技法にとどまらず視覚系での運動情報処理を反映していると考えると,本数の効果は示唆的である。

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CiNii 論文 -  絵画情報と言語情報による速度印象の形成 : モーション・ラインとオノマトペ(マルチモーダル・感性情報処理の基礎と応用,一般) https://t.co/Lii8DdYh6W #CiNii

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