- 著者
-
柴田 徹
- 出版者
- 跡見学園女子大学
- 雑誌
- 跡見学園女子大学マネジメント学部紀要 (ISSN:13481118)
- 巻号頁・発行日
- vol.6, pp.175-194, 2008-03
本小論では,米国マイクロソフト社のウインドウズをオペレーティング・システムとするパーソナル・コンピュータの日常的な使用において,少なくないエンド・ユーザが経験するであろうソフトウェアのインストール/アンインストール作業に着目し,ソフトウェアのインストール/アンインストール作業の完遂に必要とされる技術的な知識・技能の一端を,複数のソフトウェア・ベンダが公開する技術情報文書の記述を分析することによって明らかにするとともに,わが国の大学学士課程における全学共通教育としての情報処理教育の若干の課題について検討した。複数の技術情報文書を分析した結果,ソフトウェアのインストール/アンインストール作業の完遂には,主要には, 1.コマンド・ライン(コマンド・プロンプト), 2.ウインドウズ・レジストリ, 3.ファイルとフォルダ, 4.オペレーティング・システム付属のユーティリティ・ソフトウェアなどに関する知識・技能,すなわち,オペレーティング・システムの機能およびオペレーティング・システム付属のユーティリティ・ソフトウェアの機能を一定程度活用することができるような知識・技能が必要とされることが明らかとなった。現状においては,制度的にも現実的にも,そうした知識・技能の教授は,大学学士課程における全学共通教育としての情報処理教育において取り扱わざるを得ない。そこで本小論においては,大学教育としての当該内容の取り扱いに関して,現実的な諸問題も考慮して,オペレーティング・システムの発達の歴史をふまえた教育内容の編成・体系化と,教育用シミュレーション・ソフトウェアの開発を提案した。