著者
白井 晴男
出版者
上武大学
雑誌
上武大学経営情報学部紀要 (ISSN:09155929)
巻号頁・発行日
vol.33, pp.63-80, 2009-03

現在、欧米や日本の企業は労働集約的な業務や高度な技術を要する業務を、賃金の低い海外に移管しつつある。いわゆるオフショア・ビジネスである。オフショア・ビジネスはコストを抑えること目的としている。多くの企業がオフショア開発やコールセンターを中国、インド、ベトナムに移管している。これらの国のオフショアリングを専門とする企業は技術的に優れた人材や適正な要因を雇用して成長している。同時に各種の施設やICTなどの情報基盤が整ったソフトウェアパークを設置して、海外企業の誘致を進めている。しかしオフショア開発は技術や固有の業務機能の伝達において、文化的な違いやコミュニケーションの不具合によって問題が発生している。またセキュリティや知的財産権の侵害も発生している。ベトナムはオフショア・ビジネスの新しい基盤としてソフトウェアパークなどの施設を拡充・発展させている。ベトナムは現在人口が約8400万人であり、10年後には日本の人口を追い越すだろうと予想される。ベトナムでは企業、大学、行政が一体となって高度情報技術者の育成を行っている。当論文でベトナムの若い人材を活用するオフショア開発の現状と今後の成長性について考察する。

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