著者
山下 真知子
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学論集 (ISSN:1882644X)
巻号頁・発行日
no.8, pp.93-109, 2007

本研究は、高齢者のケア環境として、加齢による感覚機能の低下をやわらげ、ユーザーのQOLを支援する適切な色彩設計の指針を明らかにすることを目的とする。そこで、エンドユーザーの立場から、実際的な施設の使い手であるユーザーと従事者の双方向から施設の廊下と療養室の色彩環境について、価値観の差異を調査した。結果、両者の共通点として、(1)療養室については、ピンクと白で設えられた「清潔な」色彩環境を望む。(2)高明度のグレーの壁にピンク色のカーテンで構成した療養室を「清潔」で「優しい」と評価する。(3)ベージュの壁にオレンジ色のドアやカーテンで構成した環境を「陽気な」「楽しい」と評価する。相違点として、(4)廊下については、ユーザーは、陽気で明るい明瞭な色彩環境を望むのに対して、従事者は、清潔で落ち着いた曖昧な色彩環境を望む。

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