著者
角田 忠信 瀬崎 薫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NS, ネットワークシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.457, pp.423-428, 2009-02-24

アドホックネットワーク上でLBSを提供するシステムを構築するためには,ネットワーク中に存在する位置依存データを適切に発見・共有する手法を考案する必要がある.データの更新頻度が高い場合は,位置依存データの配信源(移動端末)付近にデータを局所的に配置する手法が有効であると考えられるが,ユーザのクエリをマッチするデータが存在する配信領域まで適切に転送させる必要がある.本稿で提案する手法では,R-Treeの階層構造とデータの構造を利用してルーティングテーブルを作成・配置し,GPSRを利用してテーブルに記述された目的領域までクエリを適切に転送させることにより,ユーザの要求する地点に近いデータを発見することを可能にする.ネットワークシミュレータで評価したところ,既存手法と比較して本手法は,わずかなメモリ消費,トラフィック負荷のオーバーヘッドで効率的にクエリにマッチするデータを発見することが可能になることを確認した.

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