著者
金子 勉
出版者
一般社団法人日本教育学会
雑誌
教育學研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.208-219, 2009-06-30

日本の大学関係者の大学観に影響したと考えられるドイツの大学理念について検討する。ヴィルヘルム・フォン・フンボルトの「ベルリン高等学問施設の内的ならびに外的組織の理念」と題する文書は、大学論の原点である。研究と教育を重視することがドイツ的な大学観であると認識されてきたが、そのような大学理念はフンボルトあるいはベルリン大学から生じた形跡がないとする異論がある。そこで、高根義人、福田徳三、ヘルマン・ロエスレル等の大学論、ベルリン大学及びベルリン科学アカデミーの歴史、大学関係法令を手がかりとして、ゼミナール、インスティトゥート等諸施設の性質を考察した。科学アカデミーに所属する研究施設を分離独立して、これらを新設大学が教育上の目的に利用することが、ベルリン大学創立時の構想の核心にある。実際に、ベルリン大学令が大学と研究施設の関係を規定し、その規定が他大学に継承されたのである。

言及状況

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へー。なんか面白そう RT @wshn: 理念的にも制度的にも強い影響を与えたのはドイツでしょうね。入手しやすいところだと、たとえば下の文献は興味深くて参考になります。博士号には言及なしですが。 http://t.co/nQb4SJjSgy RT @YYOI: 戦前の日本
CiNii 論文 - 金子勉「大学論の原点 : フンボルト理念の再検討」『教育學研究』76(2), 208-219, 2009 http://t.co/BjNNd3H3oK
理念的にも制度的にも強い影響を与えたのはドイツでしょうね。入手しやすいところだと、たとえば下の文献は興味深くて参考になります。博士号には言及なしですが。 http://t.co/BjNNd3H3oK RT @YYOI: 戦前の日本の学制はドイツから輸入したんだっけか?

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