- 著者
-
松本 啓子
- 出版者
- 日本老年看護学会
- 雑誌
- 老年看護学 : 日本老年看護学会誌 : journal of Japan Academy of Gerontological Nursing (ISSN:13469665)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.63-71, 2007-11-01
本研究では,在宅における認知症高齢者の家族介護者の医療に関するニーズを明らかにするために,在宅認知症高齢者の家族介護者の医療ニーズに着目し,その因子構造を構築し医療ニーズ測定尺度を開発すると同時に,その尺度の信頼性と妥当怪の検討を行った.解析の結果,「日常生活関連ニーズ」「医学的知識のもとの観察ニーズ」「介護者の安心感ニーズ」を一次因子, 「医療ニーズ」を二次因子とする二次因子モデルのデータ-の適合度はx^2 (df)=1.796,GFIが0.959,AGFIが0.937,CFIが0.975,RMSEAが0.048であった.パス係数はいずれも統計学的に有意な水準であった.また,内部一貫性を示すクロンバックのα信頼係数は,0.894であった.3因子12項目からなる在宅認知症高齢者の家族介護者の医療ニーズ尺度を構築でき,構成概念妥当性ならびに信頼性を備えていることを確認した.