著者
吉田 小五郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.27, no.2, pp.245-296, 1954

私は曩に、本誌第二十四巻第二・三合併號に「草創時代の幼稚舎」と題し、明治七年から同二十五年に至る舎史の大要を述べた。今回は、それに引きつゞき、明治二十五年以降大正八年に至る期間を假に「前期幼稚舎」と名づけ、その概要を記すことゝした。私が特に「前期幼稚舎」と呼ぶのは、この期間の主任者が何れも福澤先生の息のかゝつた人々であり、從つて舎内の空氣に福澤先生が溶けこみ生きてゐたかに思はれる。從つて其の後、即ち大正八年以降の幼稚舎とは明確に区別して然るべしと考へたからである。然し一貫した「幼稚舎史」の一部としては極めて不完全なもの故、「稿」の一字を添えて發表することにした。猶ほこゝでは將來通史を編む場含當然省略せらるべき基礎的な史料を幾つか「附録」として添えることゝした。本稿でも前例に倣ひ、福澤先生の外は一切敬称を省略した。

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