著者
廣瀬 陽子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-07-10

本研究は「凍結された紛争」の誕生・存続のメカニズムを明らかにし、その発生の予防、解決可能性を検討することを目的とし、文献研究、現地調査などによって進められた。研究を通じ、凍結された紛争の解決に影を落とす歴史背景および歴史認識問題の深刻さが浮き彫りになった。また、大国の外交戦略の影響も重要である。例えば、旧ソ連圏の凍結された紛争は、ロシアのグランド・ストラテジーの中で固定化された現実があり、また、凍結された紛争の多くに冷戦構造や現在の「東西対立」の構造などが見られる。最後に、凍結された紛争が紛争当事国ならびに関係国の内政・外交に、ひいては国際政治に重層的な影響を与えることも明らかになった。
著者
金子 國吉
出版者
慶應義塾大学
雑誌
体育研究所紀要 (ISSN:02866951)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.25-39, 1975-12

1. はじめに2. 古代末期の剣技について3. 鎌倉時代の剣技についての概説4. 南北朝時代の剣技について5. まとめ
著者
小川 剛生
出版者
慶應義塾大学
雑誌
三田國文 (ISSN:02879204)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.1-16, 1997-03-31

はじめに一 摂関家の存在証明 : 日本紀神話と大嘗会神膳供進作法二 二条師忠と即位灌頂三 二条家の印明説と寺家即位法四 二条良基と即位灌頂(1)五 二条良基と即位灌頂(2)六 結語
著者
丸島 和洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.221-246, 2008-12

論文はじめに一 取次の検出二 取次の構成とその意義 1 当主側近 2 一門・宿老三 取次になることの意味おわりに
著者
池谷 修
出版者
慶應義塾大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2014-04-01

【目的】免疫抑制剤タクロリムスは、肝代謝酵素CYP3Aで代謝され他の薬物や食品との相互作用が臨床上大きな問題となる場合がある。我々は同種造血幹細胞移植後にタクロリムスを内服し、安定した血中濃度(9.9-10.3ng/ml)が維持されていたがルイボスティーの連日摂取によって血中濃度が3.0ng/mlまで低下するとともにグレード3の皮膚GVHDを発症した症例を経験した(日本造血細胞移植学会雑誌2013 ; 2(4) : 109)。そこで、ラットを用いてタクロリムスの薬物動態に対するルイボスティーの影響を検討した。【方法】Wistar系雄性ラット(n=6)にフリーアクセスで1週間水を与えて飼育し、タクロリムス(経口懸濁製剤)1.5mg/kgを経口単回投与し、投与後15min, 30min, 1, 2, 3, 4, 8, 12hrの8点の採血を尾静脈より行った。その後7日間washoutを行い、続けてルイボスティーのみをフリーアクセスで1週間与え、同様のスケジュールでタクロリムス投与後に採血を行った。ラットの血中濃度の測定は、PRO-TRACIITMFK506(DiaSorin社製、USA)を用いてELISA法により行った。【結果】ルイボスティー投与群ではタクロリムス1.5mg/kg経口投与時の12時間後までのAUC(mean±S.D.)は、13.45±3.47ng・hr/Lとルイボスティー投与前の17.57±10.57ng・hr/Lに比べ、統計学的な有意差は認められなかったものの23.4%も減少した。さらに、最高血中濃度(mean±S.D.)も5.47±2.84ng/mLとルイボスティー投与前の7.75±5.2ng/mLに比べ29.4%低下した。【考察】ラットを用いた動物実験からルイボスティーは、CYP3A酵素を誘導しタクロリムスの血中濃度を低下させる相互作用がある可能性が示唆された。
著者
清水 邦夫 南 美穂子 宮岡 悦良 高際 睦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

完全データが与えられた場合の多変量正規分布の母数推定論は、多変量解析の多くの書物において取り上げられている題材である。本研究では、主に不完全データもしくはミッシング(結測)のあるデータを含む場合の統計解析法について研究し、つぎの結果を得た。(1)2つの多変量正規分布にしたがう完全データから松下の類似度の最尤推定法および制限付き最尤法を利用する推定法について調べ、3つの偏り修正法の比較を行った(Minami and Shimizu, 1999)。本研究の結果は不完全データに対して発展する余地が残されている。(2)2地点降雨量の積モーメントと共分散のしきい値法による推定について調べた(Hossain and Shimizu, 1999)。降雨量データは、レーダにより降雨量を推定する状況を考えると、あるダイナミックレンジ内のデータから分布のパラメータを推測せざるを得ないという意味で不完全なデータである。しきい値法はそのような不利な状況を軽減する方法の一つと考えられる。(3)2つの2変量正規分布にしたがう不完全データから松下の類似度の最尤推定法および制限付き最尤法を利用する推定法について調べた(Minami. Shimizu, and Mishra, to appear)。(4)つくばで得られた地上ライダー雲底データについて分布の検討した(Takagiwa et al., to appear)。雲の鉛直分布は、もし下層に光学的に厚い雲があると地上ライダーからのデータはミッシングを含む構造になっていると考えられるので、衛生ライダーデータによる今後の検討が必要である。
著者
丸島 和洋
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.181-209, 2007-01

論文はじめに一 天文~弘治期の諏方郡支配 1 武田氏の諏方侵攻と「諏方郡司」 2 「高島城代」の設置二 奉書式朱印状の創出と「諏方郡司」 1 「諏方郡司」の不正 2 永禄~天正期の「諏方郡司」 3 当該期「諏方郡司」の権限三 武田領国における「郡司」 1 「郡司」の検出 2 「郡司」が奉じる龍朱印状おわりに
著者
桃崎 有一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.1-37, 2007-06

論文はじめに一 未拝賀の常態化と廷臣の経済的困窮 I 室町後期の未拝賀常態化 II 拝賀の負担感と廷臣の困窮 A 拝賀の負担感 B 洞院家の困窮と拝賀困難二 負担の内実と公家社会の経済構造 : 人件費と装束調達費 A 人件費の負担と訪に群がる人々 B 車・装束用意の負担三 廷臣の自衛策と負担回避の論理 A 拝賀先の省略 B 公事参仕の回避 C 拝賀回数の間引き D 複数の拝賀の「通用」 E 人員・装束の共有 F 人員・装束の削減・省略 G 任官・昇叙を所望せずおわりに
著者
桃崎 有一郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.195-223, 2004

論文はじめに一 南北朝・室町期の陣中とその存続下限 A 土御門内裏における陣中・陣口 B 牛車宣旨と陣中通行 C 陣口と「置石」二 陣中に対する公家社会の意識と慣行・治安おわりに
著者
小谷 俊彦
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.155-172, 1980-11

国史第五〇巻記念号The Ashikaga family produced a great many branch families from the end of the Heian period through the Kamakura period. These branch families can be broadly divided into two groups according to their character. One group comprised families such as the Kira, the Shiba, and the Momonoi, who became independent gokenin serving the Kamakura shogunate in the same way as the main family but possessing different territories. The other group comprised families such as the Nikki who remained under the protection of the main house, from whom they received their lands, and were in effect little better than vassals. In this way, relationships of the Ashikaga family developed during the Kamakura period had a lot of influence in various fields in the subsequent Nanbokucho period.
著者
淺子 勝二郎
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.32-52, 1958

慶應義塾創立百年記念論文集In the eleventh and the twelveth century, Japanese Buddhism was characterized by the pessimism of the Mappo teachings (the theory of the latter days of Buddhism), and the diffusion of the Pure Land Sect of Buddhism 浄土宗 which taught men how to cope with these pessimistic teachings. Due to the diffusion of the Pure Land Sect many halls which were dedicated to Amida were built throughout the country. The Tohoku district (the north-eastern section of Japan) was by no means an exception. Even now, some Buddhist Halls and Images enshrined in them built in that period remain in the Tohoku district. They are : the Konjiki-do of Chuson-ji 中尊寺金色堂 the Amida Hall in Shiramizu 白水, the Amida Hall of Kozo-ji 高藏寺, and the Yakushi (Bhesajaguru) Hall in Kanago 金郷. These Halls and Images in the Tohoku district have a common character distinct in style from those Buddhist Halls and Images in other districts of this country. The writer of this article would call the district where the Buddhist Halls and Images of the Tohoku style are distributed the "Hiraizumi Culture Range" and studies the artistic style common in the Amida Halls and Images remaining in the Tohoku district.
著者
磯崎 達朗
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.317-338, 1992

はじめに一 高師冬・上杉憲顕の地位と権限 1 高師冬の東国下向の経緯と背景 2 師冬軍の分析とその三類型 3 小結二 「鎌倉府執事」発給の奉書についておわりに
著者
小林 良彰 平野 浩 谷口 将紀 山田 真裕 名取 良太 飯田 健 尾野 嘉邦 マッケルウェイン ケネス 松林 哲也 築山 宏樹
出版者
慶應義塾大学
雑誌
特別推進研究
巻号頁・発行日
2012

本研究では、18回(全国調査14回、自治体調査3回、国際比較調査1 回)にわたって実施し、下記の新たな知見を得た。(1)投票行動研究から民主主義研究への進化(2)日米韓における代議制民主主義の分析を通した比較政治学 (3)日本の地方自治体レベルにおける代議制民主主義の分析 (4)政治意識の形成と変容の解明(5)マルチメソッド比較による新しい調査方法の確立 (6)政治関連データベースの構築。これらを通して、海外の研究機関から申し入れを受け、代議制民主主義に関する国際共同研究拠点を構築した。
著者
浅見 雅一
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.219-261, 1990-07

論文一 はじめに二 教会史料を中心とした史料系統三 四川支配の経緯 (一) 四川侵攻と大西政権の成立 (二) 漢中後略の失敗 (三) 四川破壊 : いわゆる「屠蜀」について (四) 四川放棄から壊滅迄四 結び
著者
峰岸 純夫
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.379-417, 1962-03

はしがきI 新田庄の地檢目録の分析II 岩松氏の一族と家臣あとがき
著者
加藤岡 知恵子
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.73, no.4, pp.371-396, 2005

論文はじめに一 入室年齢二 入室尼寺 1 足利義持期の入室 2 足利義教期の入室 3 比丘尼御所と権門子女三 比丘尼五山次第と禅林相伴衆四 入室後のくらしおわりに
著者
磯田 道史
出版者
慶應義塾大学
雑誌
史学 (ISSN:03869334)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.137-176, 2002

論文はじめに一 ペリー来航と門閥制度 1 ペリー来航以降 2 門閥世襲批判 3 人才挙用論二 諸士皆学制の施行 1 鳥取藩の藩校教育 2 藩校への出席強制 3 登校拒否の理由三 藩校による人材選抜 1 藩校の改革 2 役人選挙制の導入 3 門地格禄の廃絶へおわりに