- 著者
-
中村 圭吾
戸田 智基
猿渡 洋
鹿野 清宏
- 出版者
- 一般社団法人電子情報通信学会
- 雑誌
- 電子情報通信学会技術研究報告. WIT, 福祉情報工学 (ISSN:09135685)
- 巻号頁・発行日
- vol.109, no.260, pp.49-54, 2009-10-22
- 参考文献数
- 21
本稿では,喉頭摘出者が外部機器を用いた電気音声に対して,統計的声質変換を適用した実験的評価を報告する.用いる外部機器として,1)周囲の者に聴取されないほど微弱な信号を出力する音源,2)従来のモノトーンピッチを出力する電気式人工喉頭,及び3)ユーザが気管孔から出力する呼気圧でF_0を制御する呼気センサーを用いた電気式人工喉頭の3種類を用いる.発声された電気音声は,ヘッドセットマイクロフォンまたはNon-audible murmurマイクロフォンで収録され,ささやき声または通常音声のいずれかに変換される.実験的評価の結果,1)呼気センサーの使用はF_0推定の精度を改善するのに有効である,2)入力F_0を用いる効果は薄いが,声質変換性能は特に劣化しない,3)全ての変換の枠組みおいて自然性が大きく改善し,変換音声は元の電気音声と比べてより好ましいことを確認する.