著者
佐藤 朝美
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.239-249, 2010
参考文献数
23

本研究では,幼児の物語行為における親の役割に着目する.Narrative Skill習得に関する先行研究は,幼児の語りの詳細を引き出す言葉がけをする親とそうでない親がおり,その差が子どもの語り方や考え方にまで影響するという結果を示している.そこで,それらの知見を踏まえ,Narrative Skill習得を促す親の語りの引き出し方の向上を支援するシステムを構築した.開発したシステム"親子de物語"は,親子で物語を作成し,その過程をWebカメラで録画,ビデオを親が自身で振り返ると同時に他の親子とビデオを共有していく,自己調整学習の仕組みを備えたWebアプリケーションである.評価実験に27組の親子に参加してもらい,その有効性を検証した.その結果,ビデオにより自己を振り返り,他者を観察することで,子どもの詳細な語りを引き出す親の言葉がけが向上することが分かった.引き出し方が特に向上した母親には,課題を行う過程で,他者の良い点から自身の言葉がけを反省するだけでなく,その都度,自分なりの目標を立てるという傾向が見られた.

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この続きの研究はこちら http://ht.ly/6imRi >「幼児の物語行為を支援するソフトウェアの開発」http://ht.ly/6imRF
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