- 著者
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小玉 重夫
- 出版者
- 一般社団法人 日本教育学会
- 雑誌
- 教育学研究 (ISSN:03873161)
- 巻号頁・発行日
- vol.76, no.4, pp.412-423, 2009
1990年代以降の教育改革において「説明責任」とならんで重要な概念として浮上してきた「遂行性」は、学校や教師をアイデンティティの不安へと追い込み、シニシズムをもたらしつつある反面、多様なアイデンティティの構築可能性を含む「転用戦の場」でもある。さらに、遂行性にはらまれている「アイデンティティの固定化」という限界を超えるためには、遂行性を宙づりにしつつ、廃棄、刷新することを可能にする遂行中断性が重要である。この遂行中断性に、新しい教育政治学の条件を見いだすことができる。