- 著者
-
斎藤 富由起
守谷 賢二
Fuyuki Saito
Moriya Kenji
千里金蘭大学 生活科学部 児童学科
文教大学大学院 人間科学研究科
- 出版者
- 千里金蘭大学
- 雑誌
- 千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
- 巻号頁・発行日
- pp.43-50, 2009
本研究では、境界性パーソナリティ障害(BPD)の治療として注目されている弁証法的行動療法(DBT)の観点から、DBT版マインドフルネス尺度を追試的に検討するとともに、DBTにおけるマインドフルネスと境界性パーソナリティ傾向の関連性を検討することが目的であった。マインドフルネス尺度を検討した結果、先行研究と同じ「中核的マインドフルネス」、「課題への注意集中」、「効果的な対人コミュニケーション」、「情動コントロール」という4因子構造が得られ、先行研究(守谷・池田・斉藤,2005)以上に信頼性と妥当性の高い尺度が作成された。さらに、境界性パーソナリティ傾向の高低を独立変数としDBT版マインドフルネス尺度得点を従属変数とした結果、境界性パーソナリティ傾向の高い人は低い人と比較して、マインドフルネス得点が有意に低いことが明らかになった。