著者
山本 晃司 山口 修 青木 恒
出版者
国立情報学研究所
雑誌
Progress in informatics : PI (ISSN:13498614)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.53-62, 2010-03

本稿ではテレビ番組の出演者の顔を一覧表示することで,見たいシーンをすばやく見つけることができる映像ブラウジング・インタフェースのための高速な顔クラスタリング手法について提案する.ブラウジングのために,ユーザが録画終了後,許容できる待ち時間は1 時間番組あたり3 分以下であることが,予備調査により分かっている.本手法の目的は録画終了後,この許容時間内に顔クラスタリング処理を完了することである.顔認識に基づくクラスタリング手法(FRC) は良好な精度を得られる反面,処理時間がかかるという問題がある.そこで,本手法では顔特徴の類似度の代わりに,人物を含むショットの類似度を用いることで高速に処理する.本稿では類似ショット情報のみを用いた手法(SSC) と,SSCの結果をさらに顔サムネールの類似度でクラスタリングする手法(FTC) の2 手法を提案する.実験では映像1 時間当たりの平均処理時間はSSC が350 ミリ秒,SSC+FTC が31 秒と高速に処理可能であり,このときの精度(一覧表示における重複しない人物の数) は,FRC と比較し,それぞれ6.0%と0.9%の低下率にとどまることを示す.

言及状況

はてなブックマーク (2 users, 2 posts)

[CV][画像処理][顔認識][論文][学会][CiNii]
[機械学習][論文][画像処理]

収集済み URL リスト