- 著者
-
盛川 周祐
大谷 隆二
- 出版者
- 日本作物学会東北支部
- 雑誌
- 日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
- 巻号頁・発行日
- vol.52, pp.67-70, 2009
酸素供給剤や専用播種機を用いる現行の湛水直播は、直播技術単体でみるとコスト低減効果は必ずしも大きくない。湛水直播では、水入れ・代かき後に播種するのに対し、乾田直播では代かきせずに畑状態で播種し、苗立ち後に水入れする。このため、条播を前提とする場合には、畑状態で播種する乾田直播の方が機械の走行性の制約が小さく高能率化を図りやすい。また、代かきを必要としないため、地域で給水が始まる前から播種可能であり、作期分散を図ることができる。乾田直播の現在の播種体系ではロータリシーダが使われことが多いが、グレーンドリルなどの大規模畑作で用いられる高能率な機械が汎用利用できれば更なるコスト削減が期待できる。盛川農場と東北農業研究センターは、2007年よりコスト半減を自指して乾田直播の体系化実証試験を行なっている。ここでは、グレーンドリルを用いた播種体系の概要を示すとともに、実証試験の経過を紹介する。