著者
黒田 栄喜 王 大超 西 政佳 坂本 甚五郎 佐川 了
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.9-10, 2008-12-20

最近、一般品種よりも胚芽重が約2倍程度大きい巨大胚芽品種や良質良食味で直播適性の高い品種が育成され、コメの用途拡大や低コスト化に貢献することが期待されている。寒冷地向け巨大胚芽米品種として「恋あずさ」、また、倒れにくく直播向けの多収性品種として「萌えみのり」が品種登録された。本研究では、1980年代後半以降当地方の主要な普及品種である「あきたこまち」を基準品種として、「恋あずさ」および「萌えみのり」の生育特性および乾物生産特性について比較検討した。水稲。
著者
大川 峻 松田 智明 新田 洋司
出版者
日本作物学会東北支部
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.127-128, 2007

これまでに急速凍結-真空凍結乾燥法によって可視化される炊飯米の微細骨格構造のうち、炊飯米の表面に伸展する「細繊維状構造」および内部に認められる「海綿状構造」の網目の発達程度が良食味米の構造的指標となること、また、炊飯に伴って良食味米では細胞壁やタンパク顆粒は分解されるが、低食味米では分解されずに残存することなどを指摘した。本報では、これらの構造的指標を用いて新しい水稲良食味米系統「北陸200号」の微細骨格構造を走査電子顕微鏡レベルで評価した。
著者
盛川 周祐 大谷 隆二
出版者
日本作物学会東北支部
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.67-70, 2009

酸素供給剤や専用播種機を用いる現行の湛水直播は、直播技術単体でみるとコスト低減効果は必ずしも大きくない。湛水直播では、水入れ・代かき後に播種するのに対し、乾田直播では代かきせずに畑状態で播種し、苗立ち後に水入れする。このため、条播を前提とする場合には、畑状態で播種する乾田直播の方が機械の走行性の制約が小さく高能率化を図りやすい。また、代かきを必要としないため、地域で給水が始まる前から播種可能であり、作期分散を図ることができる。乾田直播の現在の播種体系ではロータリシーダが使われことが多いが、グレーンドリルなどの大規模畑作で用いられる高能率な機械が汎用利用できれば更なるコスト削減が期待できる。盛川農場と東北農業研究センターは、2007年よりコスト半減を自指して乾田直播の体系化実証試験を行なっている。ここでは、グレーンドリルを用いた播種体系の概要を示すとともに、実証試験の経過を紹介する。
著者
齋藤 博行 秋場 善憲 早坂 崇
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.3-4, 2008-12-20

水稲の省力低コスト化を図るため、機械移植栽培の株間を30cmに広げた尺角植えの疎植栽培は、慣行栽培よりも育苗箱使用が10箱程度で半分であり、種子量、培土量、肥料、農薬等の資材経費の半減になるほか、育苗施設や育苗管理労力も削減可能である。これにより、余剰労力の他部門への活用や水田経営規模拡大が見込める。なによりも、田植え時の育苗箱運搬や苗補給労力も大幅に削減されることより、高齢な補助者にとっては大幅な労働軽減になる。暖地における穂数型品種の疎植栽培については、品質向上・増収効果が確認されているが、東北地域の寒冷地である山形県の奨励品種である「はえぬき」は偏穂重型品種であることから初期茎数確保が遅れた場合の減収への不安があった。本報告は、平成16年から19年までの4ヵ年にわたる株間30cmの疎植栽培を農家圃場で調査を実施し、生育の特徴及び収量性について取りまとめたものである。
著者
仲條 眞介 吉田 宏 大清水 保見
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
no.51, pp.57-58, 2008-12-20

短稈アワ育成を目的としたγ線照射による突然変異育種の過程で、到穂日数が原品種の1/2程度しかない極早生変異系統が得られた。本系統を夏至の前後の2時期(5月25日、7月2日)に播種した場合の到穂日数は、それぞれ38日、35日と変化が少なかった。本研究では、この変異系統の極早生化の成立要因を明らかにするために、短日処理と長日処理を行い、その出穂反応を調査した。日長。条件。