著者
大川 峻 松田 智明 新田 洋司
出版者
日本作物学会東北支部
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.127-128, 2007

これまでに急速凍結-真空凍結乾燥法によって可視化される炊飯米の微細骨格構造のうち、炊飯米の表面に伸展する「細繊維状構造」および内部に認められる「海綿状構造」の網目の発達程度が良食味米の構造的指標となること、また、炊飯に伴って良食味米では細胞壁やタンパク顆粒は分解されるが、低食味米では分解されずに残存することなどを指摘した。本報では、これらの構造的指標を用いて新しい水稲良食味米系統「北陸200号」の微細骨格構造を走査電子顕微鏡レベルで評価した。
著者
盛川 周祐 大谷 隆二
出版者
日本作物学会東北支部
雑誌
日本作物学会東北支部会報 (ISSN:09117067)
巻号頁・発行日
vol.52, pp.67-70, 2009

酸素供給剤や専用播種機を用いる現行の湛水直播は、直播技術単体でみるとコスト低減効果は必ずしも大きくない。湛水直播では、水入れ・代かき後に播種するのに対し、乾田直播では代かきせずに畑状態で播種し、苗立ち後に水入れする。このため、条播を前提とする場合には、畑状態で播種する乾田直播の方が機械の走行性の制約が小さく高能率化を図りやすい。また、代かきを必要としないため、地域で給水が始まる前から播種可能であり、作期分散を図ることができる。乾田直播の現在の播種体系ではロータリシーダが使われことが多いが、グレーンドリルなどの大規模畑作で用いられる高能率な機械が汎用利用できれば更なるコスト削減が期待できる。盛川農場と東北農業研究センターは、2007年よりコスト半減を自指して乾田直播の体系化実証試験を行なっている。ここでは、グレーンドリルを用いた播種体系の概要を示すとともに、実証試験の経過を紹介する。