著者
齊藤 万比古
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.277-284, 2010-04-01
被引用文献数
1

発達障害は最初に子どもの年代で診断されることが多い障害の代表的なものであるが,発達障害とされる諸障害が成人で注目されるようになったのはわが国ではごく最近のことである.注目が集まるにつれ,成人の間に発達障害を見出したとの症例報告が増えているが,診断の困難さは成人における各発達障害の臨床像が必ずしも確立していないことにもある.診断を難しくしている最大の要因は,発達障害における併存精神障害の併発率の高さと多様さにある.難治性の,あるいは対応困難な成人期の精神障害や心身症の背景に発達障害が存在していないか否かを見極める視点が,この領域の臨床家にとって必須なものとなっている.こうした観点での精神医学および心身医学の整理が必要ではないだろうか.

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PDD成人期に至る併存精神障害についての論文>[CiNii]発達障害の成人期について(合同シンポジウム:成人期の発達障害と心身医療,2009年,第1回日本心身医学5学会合同集会(東京)) http://ci.nii.ac.jp/naid/110007574506

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