著者
吉田 貴富
出版者
美術科教育学会
雑誌
美術教育学 : 美術科教育学会誌 (ISSN:0917771X)
巻号頁・発行日
no.30, pp.439-452, 2009-03-21

対話型ギャラリートークが日本に紹介されると同時に,学校教育への導入・応用の動きも始まり,啓蒙書的・指南書的な書籍の出版も相次いでいる。しかし,これらの書籍はほぼ共通して進行役(ファシリテーター)の美術的素養や扱う作品に関する知識・理解・解釈を問題にしない。むしろそれらは不要であるとの言説も存在する。はたしてこのような認識や喧伝の仕方は,学校教育における対話型鑑賞を実り多いものに導くであろうか。本稿は,対話型ギャラリートークに関する文献,アメリア・アレナスの対話型ギャラリートーク,それに小学生を対象とした実践例を再検討して,対話型ギャラリートークを学校教育へ導入・応用する際に重要な要件のひとつとして,進行役が,扱う作品に関する知識・理解・解釈を具えていることが挙げられることを明らかにした。

言及状況

Twitter (1 users, 1 posts, 4 favorites)

吉田(2009)「対話的ギャラリートーク型鑑賞指導における進行役の要件について」『美術教育学:美術科教育学会誌』30, 439-452 http://ci.nii.ac.jp/naid/110007580655

収集済み URL リスト