- 著者
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中田 雅大
溝口 英里子
関 哲朗
- 出版者
- プロジェクトマネジメント学会
- 雑誌
- プロジェクトマネジメント学会研究発表大会予稿集
- 巻号頁・発行日
- vol.2005, pp.170-175, 2005-03-17
近年のゲーム市場の縮小により,日本のゲーム産業の景気は低迷している.一般に,ゲームソフトウェア開発は通常のソフトウェア開発に比べ,複雑で困難な特徴を持っているといえる.これは,「おもしろさ」を追及するというゲームソフトウェアが持つ独自の性質を原因とし,仕様変更々作業追加による遅延を引き起こし,企業利益喪失の原因となっている.本論文では,ゲームソフトウェア開発プロセスの改善のために以下の2点について議論する.一つは「おもしろさ」を価値であり,一方はゲーム開発へのプロジェクトマネジメント導入の価値である.これらの議論の解を得るために,ゲーム開発企業の管理層およびプロジェクトマネージャとのディスカッションを行った.その結果,「おもしろさ」はゲームソフトウェアの質を高く確保するためには欠かすことのできない要素であることがわかった.また,プロジェクトマネジメントの導入は,ゲームソフトウェア開発プロセス改善にとって有効な手段であることが明らかとなった.