著者
深澤 圭子 高岡 哲子 根本 和加子 千葉 安代
出版者
名寄市立大学
雑誌
紀要 (ISSN:18817440)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.63-68, 2010-03

本研究の目的は、終末期ケアを検討するための知見として、高齢者自身が終末期における「生死」に関してどのように考えているかを明らかにすることにある。10例の対象者へ半構成的面接を行い、データを質的に分析した結果7カテゴリーを抽出した。高齢者は〈痛みの回避〉や〈傍にいてほしい〉等《苦痛緩和》を望んでいることがわかった。《死の準備》では〈妻と対話〉〈身辺整理〉や〈遺言〉等を考えていた。《延命は望まない》では〈高度の医療は不要〉等をあげていた。《終の棲家》では、〈できれば自宅〉〈住み慣れた地域〉とする一方、〈病状悪化時病院〉とし、その裏には家族への遠慮もある。《平安なる死》では〈眠るが如き〉や〈自然死〉等を希求していた。《死の恐怖感》では、〈死への恐れ〉を抱き、それを抱く一方、〈死と共に〉生死は表裏一体と考えている。《死後の世界》には〈信じる〉〈肉親に会える〉等、死後の世界を希求していると考えられる。以上のような高齢者の気持ちを汲み取り尊厳・尊重した終末期の《苦痛緩和》ケアが重要であることが示唆された。

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、「ただ生きて役割が果たせない」などによって語られていた霊的な痛みが含まれていた。 A地域の高齢者が考える自らの終末期 http://t.co/UlVQqDhZyT #CiNii
身体的苦痛だけではなく、「死への恐れや不安」などによって語られていた心理的な痛み、「経済的、家族への心配」などによって語られていた社会的な痛み、 A地域の高齢者が考える自らの終末期 http://t.co/UlVQqDhZyT

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