著者
三田村 理恵子
出版者
藤女子大学
雑誌
藤女子大学QOL研究所紀要 (ISSN:18816274)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.5-10, 2010-03

本研究では、乳酸発酵野菜入り野菜・果実混合飲料を2週間連続摂取した際に、便通の改善が得られるか否かを検討した。インフォームドコンセントの得られた健常な女子大学生38名(24.4±7.4歳)を対象とし、2週間の観察期間を設けた後、試験飲料を1日200ml、摂取時間帯は定めずに2週間連続摂取させた。摂取期間中は下剤や便通を促すサプリメントを禁止した他、摂取する食品に関しての制限はしなかった。「便通」に関する排便日誌を用い、前後比較デザインによる便通改善効果の評価を行った。全38例を解析した結果、主要評価項目である排便回数が観察期間は12.1回であったのに対して、摂取期間では13.7回となり有意に増加した。また、排便日数も観察期間9.3日が摂取期間では11.0日となり、有意な増加が認められた。さらに、便秘がちな群と非便秘群に分け便通改善効果の解析を行ったところ、便秘がちな群は観察期間7.5回の排便回数が摂取期間では10.5回と変化した。一方、非便秘群における排便回数は、飲料の摂取前後で差はほとんど見られなかった。排便日数についても同様であった。以上の結果より、乳酸発酵野菜入り野菜・果実混合飲料の連続摂取による便通改善効果が示された。特に、便秘がちな女性では便通改善効果が得られやすいと思われる。

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